HubSpotとは
こんにちは、ウェブディレクターの清水です。
今回はマーケティングツールのHubspot(ハブスポット)をご紹介します。
“マーケティングツール”と言っていますが、SFA(Sales Force Automation/営業支援ソフト)や、サイトを管理するCMS機能なども備えていて、目的に合ったソフトを選ぶ事もできますし、それらを連携して生産性をより向上させることもできるツールです。
無料版も用意されていて、メールマーケティングやCRMの機能が利用できるので、小規模な組織では無料版でも十分役立ちます。私も案件によっては無料版を使う事が多いです。
HubSpotの基本情報
HubSpot(ハブスポット)は、インバウンドマーケティング、セールス、カスタマーサービスの管理、ウェブサイト制作(CMS)機能を提供する総合マーケティングプラットフォームです。
機能別に以下のアプリに分かれています。
- Marketing Hub – マーケティングソフトウェア
- Sales Hub – 営業支援CRM
- Service Hub – 顧客サポートソフトウェア
- CMS Hub – ウェブサイトを構築するためのコンテンツ マネジメント システム
世界でもオールインワンなマーケティングソリューションとして評価されています。
当初は小規模企業をターゲットにしていましたが、市場を広げ、大規模企業にも対応したサービスを展開し、2021年に10億ドルの売上を計上したようです。
もともとは、ウェブサイトの解析とメールマーケティングの機能を提供していたような記憶があります(おぼろげですが)。
HubSpotでできること
Marketing Hubでできる事
Marketing Hubでは顧客獲得のためのマーケティングツールを提供するソフトウェアで、マーケティングオートメーション機能(MA機能)も搭載されています。
以下の機能が提供されています。
ブログ記事を作成する機能。検索エンジン最適化の機能や、CTA設置機能などが提供されているほか、HubSpotのメルマガとの連携、SNS連携、予約投稿機能なども搭載されています。
記事を公開した後に、見込み顧客に効果的に、少ない労力で届けるための機能が用意されています。
ブログ機能は、無料版にも用意されていて、機能もしっかりしています。
さらに、無料版では独自ドメインに接続する事も可能です。
多言語配信する場合に、言語を追加して、ページを言語別のディレクトリに分ける事もできます。
記事のエディタは、ブロックエディタ。様々な部品が用意されています。
また、記事公開時には、重要な情報に漏れが無いかも確認してくれます。
Canvaとも連携していて、画像の作成も簡単に行えます。
他にも、Marketing Hubでは、以下の機能が提供されています。
キーワード選定のためのツールや、検索結果の順位のレポート機能、トピックにおける競合調査などのための機能が用意されています。
Facebook、Instagram、LinkedIn、Googleへの広告出稿をHubSpot上で直接管理し、効果想定が可能。
SNSを管理するための機能が用意されており、キャンペーンの作成、コミュニケーションのモニタリングと優先順位付け、ソーシャルメディアへの公開などが一元管理できます。
HubSpot内で動画のホスティング、作成、効果測定などの管理が可能。
各動画のメタデータは、検索エンジンが動画を見つけやすくなるように調整可能です。
ライブチャットやチャットボットを作成してウェブサイトに設置可能。
HubSpot CRMとも連携しているため、顧客の基本情報やステータスの管理などもスムースに行えます。
コンバージョンを上げるためのランディングページ機能。ゼロからも豊富なテンプレートからも作成可能。
問い合わせフォームや申し込みフォーム、アンケートフォームなどをドラッグ&ドロップで作成できる機能。フォームに入力されたリードの情報はCRMに自動的に取り込まれます。
顧客の行動に応じてスコアを付与し、そのスコアや顧客のタイプに応じて、複数のキャンペーンを自動で実行することが可能。
メールマガジンをはじめ、トラッキング可能なメールを簡単に作成可能。送信相手に応じて内容を変えたり、ABテストを行ったりもできます。
マーケティング活動・顧客情報を可視化し、今後の活動に生かせます。
Sales Hubでできる事
HubSpot Sales Hubは、製品の成約率を上げるための施策や、顧客との信頼関係の強化、案件の進捗管理の効率化を実現するための機能を搭載した営業支援CRMプラットフォームです。
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と言います。このようなツールをCRMツールと言います。
近年はSFA(Sales Force Automation/セールスフォースオートメーション/営業支援ツール)と呼ばれるサービスが注目を集めていますが、SFAはCRMのひとつです。
HubSpot Sales Hubワークフローの自動化もでき、SFAの領域もカバーしています。
以下の機能が提供されています。
テンプレートを作成しチームで共有することで素早いメール作成が可能。
リードがEメールを開封すると通知が届きます。メール内のリンクのクリックなども計測されます。
営業用のドキュメントを共有や、顧客が開封したドキュメントの計測などが可能。
顧客との通話内容の自動記録を確認して、何がチームの業績向上につながるかを特定。AIによる分析も。
顧客へのフォローアップメールを自動化したり、その後の業務フローも標準化して漏れを防ぐことが可能。
顧客とのミーティング日程を簡単に調整するための機能。ミーティングの予定はGoogleカレンダーやOffice 365カレンダーに同期されるため顧客に最新の予定を提供可能。
見積書の作成や送信から決済までをHubSpot内で行えます。
営業活動に関するさまざまなデータを一元的に管理して分析できます。
上に挙げたフォーム作成やメールマーケティングの機能は無料版にも用意されています。使い勝手もよいので重宝します。
Service Hubでできる事
Service Hubは、カスタマーサービスを効果的・効率的に行うためのツールを搭載したソフトウェアです。
以下の機能を提供しています。
カスタマーサービスのやり取り、進捗を一元管理。
過去の履歴も蓄積され、チームで共有することができます。
カスタマーサポートを通して寄せられた質問やチケットの内容から、ヘルプ記事やドキュメントを作成可能。これらをナレッジベースとして公開できます。検索エンジンへの最適化も行われます。
顧客とのやり取りをチケットとして管理し、チームで共有、適切な担当者を割り振る事が可能。
チケット(問い合わせ)の割り当てやアンケートの自動収集などを自動化することが可能。
CMS Hubでできる事
HubSpotにはウェブサイト構築と管理機能「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」が提供されています。
ドラッグ&ドロップベースのエディタや多言語サイト用の機能、ABテスト機能などが提供されているほか、他のHubSpotソフトウェアとの連携が容易に行えます。
Operations Hubでできる事
Operations Hubは、日々の業務を効果的・効率的に実施するための機能が提供されています。
複数サービスの顧客情報を同期したり、業務フローの自動化を行う事ができます。
このソフトウェアでは、MicrosoftのPower Automateでできるようなワークフローの自動化の機能が提供されています。
HubSpot無料版
概要
HubSpotは、一部の機能を利用できる無料版を提供していて、複数のソフトウェアの機能を無料で利用できます。
制限付きとは言え、豊富な機能が提供されているため、まずは無料版を利用してみるのもよいかと思います。
無料版では以下の機能が利用可能です。
- コンタクト管理
- コンタクトのウェブサイトアクティビティー
- 会社情報の管理
- 取引の管理
- タスクとアクティビティーの管理と追跡
- 商談中の企業に対して役立つ情報を表示
- GmailやOutlookの連携
- アプリマーケットプレイスとの連携
- チケット管理
- フォーム作成とトラッキング
- ランディングページ
- 広告管理
- 共有受信トレイ
- レポートダッシュボード
- Eメール追跡&通知
- Eメールテンプレート
- 営業ドキュメントの管理
- ミーティング設定
- Facebook Messenger連携
- カスタムプロパティーの作成
CRMとしてもっとしっかり使いたいという場合や、目的が異なるフォームをたくさん作成したい場合は、カスタムプロパティの上限10個にすぐに達してしまうので注意が必要です。それでも無料版でも高機能であることは間違いありません。
ランディングページの例
無料版でもランディングページが作成できます。デザインテンプレートも用意されており、これをベースにカスタマイズできます。
ページ自体は、ドラッグ&ドロップ形式のCMSで作成できます。
無料版は一部機能制限やHubSpotロゴの表示といった制約がありますが、HubSpotの使い勝手を体験するには十分な機能を利用できます。
有料版は、各ソフトウェア別にプランが用意されていますので、公式サイトからご確認ください。