Chat GPT – AIブームを牽引するOpenAIの多機能でカスタマイズ可能な対話型生成AI

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2024-01-14 : タスクを予約実行できる “ChatGPT Tasks” が発表されたことにともない、この情報を追加しました。

この記事では、テキストベースの対話型生成AIのChat GPTについて紹介いたします。

目次

Chat GPT (チャットジーピーティー) とは

概要

Chat GPTは、自然言語による対話式の生成AIです。テキストベースで会話をしながら目的の回答やコード、画像や動画など、様々な情報を生成する事が出来ます。

開発元のOpenAIは、AI研究等のために2015年に設立された組織です。代表的なプロダクトであるGPTシリーズに加えて、画像生成AIのDALL·Eや音声認識AIのWhisperなど、多岐にわたるプロジェクトを展開しています。

基本情報

プロダクト名Chat GPT (チャットジーピーティー)
運営企業OpenAI
公式サイトhttps://openai.com
サービス提供開始年2022
無料プランあり
料金ページhttps://openai.com/pricing

Googleトレンドの動向

日本

世界

Googleトレンド(英 : Google Trends)は、ある単語がGoogleでどれだけ検索されていたのかを視覚的に表示するツールです。
ここに表示される数値は検索数ではありません。例えば、100の値は、その単語が検索されたピークを意味します。
50の値は、その単語の検索人気が半分であることを意味します。スコア0は、この単語のデータが十分でなかったことを意味します。上記のGoogleトレンドの検索データは世界中での検索が対象となっています。

主な機能や特徴一覧

基本的には、入力されたテキストやファイル、音声に対して、回答が返されるという仕組みです。
対話形式なので、追加で質問して回答結果を掘り下げていく事も可能です。

ChatGPTのインターフェース
ChatGPTのインターフェース

また、ローンチ当初はできなかったウェブ検索機能利用可能です。

ChatGPTのウェブブラウジングの結果画面
ChatGPTのウェブブラウジングの結果画面

以下、主な機能一覧です。

  • 文章生成 : 与えられた情報を元に、次のような文章を生成してくれます
    • 質問への回答
    • 文章の要約
    • 記事等の文章の提案
    • 文章校正
    • 翻訳
    • メールの返信の作成
  • プログラミングコードの生成や解説
  • 計算
  • 画像の生成や分析 (DALL·E)
  • ウェブブラウジング
  • テキストファイルの分析や生成
  • 音声での対話
  • カスタムGPTの作成
  • メモリ機能 : 自分の情報を記憶しておいたり、特定の命令文をショートカットキーに割り当てて記憶させたりと、任意の情報を記録させることができます
  • 任意のタスクを任意の時間に実行できる – ChatGPT Tasksという機能で、2025-01-14にβ版として開始

便利な機能と使い方

カスタムGPT

カスタムGPTとは、予め特定の条件を加えたGPTで、ユーザー自身が作成でき、非公開・公開して利用できます。
これによって、特定の目的に特化したGPTを作成する事ができます。

カスタムGPTは、以前は有料プランでのみ利用可能でしたが本記事公開時点では無料プランでも利用可能です。

カスタムGPTの検索メニュー
カスタムGPTの検索メニュー

次のようなGPTが公開されています。

  • ロゴや画像生成に特化したGPTs(以下、例)
    • 有料プランで利用可能な画像生成AIのDELL-Eを利用するもの
    • Adobe ExpressやCanvaのアカウントと連携して生成するもの(これらはChatGPT上で結果が閲覧でき、クリックすると、各ウェブアプリで編集が可能)
  • 文章作成に特化したもの
  • 学術書や論文などの検索や質問に特化したもの
  • データ分析に特化したもの

カスタムGPTの一覧は、カテゴリ別にも表示できます。まずは各カテゴリにあるGPTを試してみると、どのようなGPTがあるのか、また、自分で作れるのかがざっくりと理解できると思います。

なお、カスタムGPTは英語のものが多いですが、日本人が開発しているものもありますので、日本語でも検索してみてください。以下の画像は、”データ”で検索した結果画面です。

カスタムGPTの検索バーで"データ"で検索した結果
カスタムGPTの検索バーで”データ”で検索した結果

また、オープンソースのツール “GPT Crawler” と併用して、任意のサイトを読み込ませてオリジナルのWikiを作るなどといった事もできます。

GPT Crawler は、オープンソースで公開されているウェブサイトをクローリングして情報を収集してくれるツールです。このツールでは、複数のページの情報を収集し、JSONファイルにまとめてくれます。

そのため、特定のサイトのヘルプページを読み込んで生成されたJSONファイルをカスタムGATに読み込むことで、例えば、そのサイトの対話型のWikiを作る事ができます。

とてもオススメなのでぜひ利用してみて下さい。

テキストファイルの分析や生成

文章を直接入力するのではなく、ファイルをアップロードして、それを分析させることもできます。

テキストファイルと記載しましたが、txt ファイルだけではなく、WordやExcel、パワーポイントといったOffice系のファイルや、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング系言語のファイルなども分析可能です。

また、回答を特定のファイル形式にしてダウンロードする事もできます。

以下は、政府が提供している農業産出額のオープンデータのCSVファイルをChatGPTで分析・編集した例です。
ファイルをアップロード後、「分析して」「次のように編集して」「チャートを作成して」などと依頼すると、適した結果を出力してくれます。

CSVファイルをアップロードしてデータの分析や加工を行う様子
CSVファイルをアップロードしてデータの分析や加工を行う様子
CSVファイルをアップロードしてデータの分析や加工を行う様子
アップロードしたCSVファイルのデータを加工したり翻訳したりグラフ化することができる

画像生成 – DALL-E

有料プランでは画像生成AIのDALL-Eが利用できます。

画像生成では、次のようなことが指定できます。

  • 画像の内容(どんな内容の絵か)
  • テイスト(シンプル、モノクロ、油絵風等)
  • サイズ(正方形、縦長、横長)
  • ファイルフォーマット(JPG、PNG、WebP等)

ちなみに、DALL·Eで作成可能な画像サイズは以下の3通りのため、細かく指定する事はできません。

  1. 正方形 (デフォルト) : 1024 x 1024 ピクセル
  2. 横長 (ワイド) : 1792 x 1024 ピクセル
  3. 縦長 (ポートレート) : 1024 x 1792 ピクセル

作成例を動画にしました。

文章やコード作成の補助機能 – Canvas

Canvasは、長文やコードを編集する際に便利な、エディタ機能です。Chat GPTが組み込まれているため、編集したい箇所を選択して、修正や補完等を依頼する事ができます。

canvasのインターフェースの一部。
Notion AI等のように、テキストエディタ内で選択したテキストを保管したり、修正したり、リファインしたりできる。

文章の表現のレベルを調整したり、文法チェック・読みやすさチェックを行う最終調整”Final polish”などもあり、文章作成の正確性を高めたり、執筆時間の削減にもつながります。

レベル調整や文法チェックを行うcanvasのメニュー
レベル調整や文法チェックを行うcanvasのメニュー。エディタの右下のアイコンからアクセスできる。

以下の動画もぜひご覧ください。文章全体に「最終調整(final polish)」と「レベル調整(level adjustment)」機能を適用した様子が確認できます。

また、以前のバージョンの差分を確認することもできます。

canvasの差分機能
canvasの差分機能。

canvasには、入力フィールドの左下のツールボックスアイコンからアクセスできます。新規チャット開始時でも、開始後でもアクセスできます。

chatGPTのテキスト入力ボックス
入力フィールドのツールボックスアイコンをクリックするとcanvasのメニューが表示される。

音声での対話

音声での対話にも対応しています。

両手がふさがっている時などは、Voice mode (音声モード)を利用すると便利です。

歩いている時や運転している時、料理している時などの暇つぶしとかにもオススメです。ただし移動スピードが速いとネットワークの問題なのか、会話が途切れたり、止まったりすることが多いです。

Voiceモードは入力フィールド左下の音声アイコンからアクセスできます。

メモリ機能

任意の情報を記憶させることができます。

例えば、企業のプロフィールや記事作成時の必須掲載文章といった定型文、コードのスニペットなどを保存しておいたり、特定の命令文と任意のキーを紐づけたりすることができます。

メモリ機能の利用例
メモリ機能の利用例。命令文を呼び出すショートカットキーを登録する例。

タスク機能 : ChatGPT Tasks

2025-01-14にβ版としてリリースされた新機能です。

特定のタスクを特定の時間に実行してくれます。また、実行時にスマートフォンに通知が届きます。

現在、この機能はPlusプラン、Proプランユーザーのみに提供されていますが、今後全てのアカウントに提供されるようです。

OpenAI公式Xと、エンジニアのKarina NguyenさんのXのポストでタスク機能の使い方と事例が紹介されています。

OpenAI公式Xでは、タスク機能のインターフェースが動画で紹介されています。

Karinaさんは、以下の使い方の事例を、動画で紹介してくれています。

  1. 毎朝、特定の株価をチェックする
  2. 毎朝、Canvasでサイエンス・フィクションのストーリーを書く
  3. 毎朝、新しいスペイン語を紹介する
  4. 毎朝、AI関連のニュースの見出しを検索する(ニュースの検索結果はソースの記事のリンクも表示されています)
  5. 毎朝、プログラミング言語のPythonに関する問題をCanvasで作成する(試験が迫ってきている際の使い方例として紹介しています)

動画はKarinaさんのエックスをご覧ください。

なお、KarinaさんのXのポストには「AIに関する最新情報を検索して」という使い方が紹介されていましたが、「AIに関する日本の記事を検索して」と指示する事もできます。もちろん、その記事のリンクも教えてと指示できるのですが、必ずしも最新の記事とは言え無さそうな結果でした。精度は高いのですが、100%正確という事ではないようです。

みなさんはどのような使い方をしますか?

私は、次のようなタスクをお願いしてみました。

  • 世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言を教えて
  • 世界と日本のAI関連のニュースのサマリーを教えて
  • その日のカスタムGPTのトレンドを教えて
  • クリエイティブなアイデアを頂戴
Tasks一覧画面
Tasks一覧画面
「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果
「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果(その1)
「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果(その2)
「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果(その2)

何故か江戸川区の天候も教えてくれました(笑)。

「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果(その3)
「世界と日本のニュースのまとめと、休憩のための1曲、偉人の名言」の結果(その3)

タスク機能は、モデルを “GPT4 with scheduled tasks”にすると利用できます。

「これを何時に実行して」と入力すると登録され、登録されたタスクは左上のプロフィールアイコンをクリックする確認・編集ができます。

また、時間指定は、「カスタム」設定にすると、1つのタスクに対して複数時刻を設定できます。例えば、「毎日12時と17時」といった感じです。

そのようにプロンプトに入力すれば、ChatGPTが勝手にカスタム設定を登録してくれます。

ただ、カスタム設定を見てみると、日付と時刻を明示的に記載しているので、この先ずっとこの時刻に実行してくれるのかは今のところ不明です。

タスク機能の時刻設定画面。カスタム時刻が登録できる。
タスク機能の時刻設定画面。カスタム時刻が登録できる。

セキュリティについて

ChatGPTでは、ビジネスデータ(入出力データ)の取り扱いついて以下のように述べています。

OpenAI は ChatGPT Team、ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu、そして API プラットフォームを利用する際、ビジネスデータ(入出力データ)に対してお客様に所有権と管理権を提供し、さらに、コンプライアンス要件を満たすための支援もしています。

Source : OpenAI における企業プライバシー | OpenAI (https://openai.com/ja-JP/enterprise-privacy/)

上記のプランの場合は「デフォルトでは、ユーザーのビジネスデータを使用してモデルに学習させることはありません」と記載しています。

一方で、無料プランやChatGPT Plusなど個人向けプランでは、この限りではありません。しかし、設定の Improve the model for everyone をOFFにすると、モデルの学習のために使われることを防ぐことができます。m

また、前述のメモリー機能をOFFにすると、履歴も保存されなくなります。

必要に応じて設定を見直してみましょう。

いずれをOFFにしても、機密性の高い情報の入力は控えるようにしましょう。

モデル学習への利用の設定画面
モデル学習への利用の設定画面
メモリ機能の設定画面
メモリ機能の設定画面

他にも、カスタムGPT作成時にも、事前学習のための設定や情報の登録が可能です。ここにも機密情報を入力したりアップロードしたりないように注意しましょう。
特にカスタムGPTを一般公開する場合には要注意です。

プランについて

ChatGPTは無料でも十分な機能が利用できます。以前は有料プランでしか利用できなかった機能も使え始めたりしています。

一方で、有料プランでは便利な機能や新しいモデルが使えたり、スピードや利用上限が向上したりしますので、各プランをチェックして、ご自身に合ったプランを選択してみてください。

プランや機能の比較はこちらの公式ページからご覧ください。

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この記事を書いた人

清水公太
ウェブ制作者・農家
雑誌・動画・ウェブの制作、広告販売、販促支援など、様々な業種業界を経験してきました。
現在は、雑多制作の屋号でウェブや動画制作、販売促進支援、農業などに従事しています。
このサイトでは、制作や業務改善に取り組む中で利用したり、発見したりした便利なサービスを紹介しています。
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